前回の城ヶ崎に引き続き、その周辺の出来事です。
135号線混雑時には裏道としても利用される旧国道沿いを通ると、
平屋をリノベーションしている光景に出くわしました。
その様子が素敵だったので、「ちょっと話を聞いてみよう」と車を降りました。
まずその光景がこちら。
左の小屋と右側の平屋。どちらもラフで素敵です。
こんな感じの物件がたくさん増えたらいいなあーと思いつつ写真をパシャリ。
そして、ちょうど平屋にいた男性と名刺交換。
男性「どなた?何をしている人?」
アライ「不動産をやってる者なんですが」
男性「不動産?どういうこと?どういうこと?(怪しんでいる)」
アライ「東京で不動産をやってるんですがもともと地元が伊東でして…」
…と自己紹介をすること5分、どうやらアライさんの親戚をご存知とのこと。伊豆のリアルソーシャルネットワークのお陰で早い段階で打ち解けまして、「良かったら裏も見ていきなよ!」と案内していただくことになりました。
ここからがすごかった。
城?
宮沢りえが出てきそう。
城のような建物は、外壁にぐるりと階段が取り付けてありまして、上へと登ることができます。
スパ的なものがあった。
「これも全部手作りだよ」
人間て驚くと本当に「ギョエー」って言うんですね。(言いました)
スパ的な建物をさらに上へ登り、屋上から見た景色。これがこの王国の全貌です!
なんかすごい!手前の球体は何?フジテレビ?
「サーバルームだよ。昔はそんなかにサーバ入れてたんだ」
この中に、サーバを? ますます混乱してきました。
改めましてスパ頂上から反対方面を眺めると、伊豆の雄大な緑が一望できます。
どこかで見たなあこの景色…。LOSTか…。
この頂上には謎の突起がありまして。
「ここにテントを設置してさ、寝るんだよ!気持ちいいよー!」
なんと、ここにテントを建てて、夏場はここで寝ちゃうんだそうです。
右がこの王国をつくった男性、石井さん。左は興奮してシャッターを切り続けるアライさん。
石井さんの経歴は多岐に渡っていてここでは紹介し切れませんが、現在はこちらにお住まいで、ご自宅を(ご自身で!)改装しつつ、建てた部屋をゲストハウスとしてお客様を泊めたり、ジャズのパーティを開いたり、作品を展示するためのギャラリーを作ったり、伊東をベースに、とにかくたくさんの活動をしているのだそうです。
インターネット黎明期からネットの将来性を感じていたそうで、ご自身でサーバを管理。先ほどのサーバルームはそのときの名残りだそうです。
温室風の小屋。テーブルにはLAN端子がたくさん並んでいました。
「今じゃあAirで飛ばすようになったけどね」と石井さん。
10年も前に、東京ではなく伊東で、これだけのネット環境を整えていたというのは本当に驚きです。
そして敷地内の建物はすべてご自身で、つまり自身の「手で」作ったのだそうです。
「そのほうが安上がりだから」と笑う石井さんですが、ひとつひとつのディティールは非常に細かくて、タイルの敷き詰め方を見ても職人さんが手を入れたのでは?と思うほどです。
あちこちに置いてある椅子や、建物の取っ手などの「鉄」で作られたパーツも、すべて石井さんの手作りなのだそう。入り口に新たに建設中の小屋は、その作品を展示するためのギャラリー兼ラボなのだそうです。
こちらは今建てている住居。屋根が個性的!
ゲストハウスの受付のちょっとしたスペース、ここでお茶をいただきながら石井さんのお話を伺って、改めて「自分でつくる」ことの楽しさと、伊東という土地が持つ自然の豊かさ、自由さを感じた私たち。
なんといっても石井さんがこの建物の話をするとき、ほんとうに嬉しそうなんです。
この生き方は、休日不動産が追いかけたいライフスタイルそのものだなあと思いました。
たいへん貴重な体験をして、テンション高めに石井邸をあとにしました。
つづく